2026年7月11(土)VSヤクルト
この日は、近本光司選手が4月26日の広島戦で死球を受け左手首を骨折して以来、76日ぶりの1軍復帰の試合でした。
その近本選手が9回裏の攻撃で復帰初のヒットで出塁し、サヨナラのホームを踏んだという試合でしたね。
今回は、その9回裏で、荒れ球のリランソ投手(防御率.000)相手に盗塁を失敗した高寺望夢選手と盗塁をしなかった近本光司選手の噺です。
この日の解説は・・・
サンテレビは原口文仁さん・秋山拓巳さん。
BS1は今中慎二さん。
スカイAは濱中治さんでした。
9回裏の攻撃
高寺選手の場合
デッドボールで出塁した高寺選手、次の近本選手が1-1からの3球目、ボールが大きく外れて2-1この時高寺選手がスタートを切る構えを見せます。
もし、走っていたらセーフかもというタイミングでした。
2回のけん制の後、3-1となるタイミングでの盗塁(ヘッドスライディング)しますがアウトでした(リクエストも失敗)。
スタートは良かったのですが、2塁ベース手前で失速をしたように見えました。
濱中:3-1なので走らなくても・・・。
この直後、近本選手が復帰初のセンター前ヒットで出塁しました。
近本選手の場合
次の中野選手の時、リランソ投手は1塁の近本選手がどうも気になる様子で、計4回もけん制をします。
3ボールとなった時でした。
濱中:こういうとこれで、近本は慌てて行こう(盗塁)としない。
こういうところを高寺も勉強しないといけない。
さすが、近本選手は落ち着いています。
ところで、リランソ投手の投球がこの試合は荒れ球(コントロールが乱れている状態)が多いように見えました。
外国人投手はクイックモーションが苦手ということをよく聞きます。
リランソ投手もどうやらそのようです。
なぜ、外国人投手はクイックモーションが苦手なのでしょうか?
また、ピッチャーが荒れ球の時の盗塁はしたほうがいいのか?
調べてみました。
なお、中野選手の結果はフォアボールでした。
この後、森下選手がレフト前のヒットを打ち、ヤクルトの山野辺選手のエラー(後逸)でサヨナラ勝ちとなったのはご存じのとおりです。

外国人投手はクイックモーションが苦手?
日本のプロ野球(NPB)にやってくる外国人投手特にメジャーリーグ経験者などは、クイックモーションを苦手としているケースが非常に多いようです。
投手の能力が低いわけではなく、アメリカと日本の「野球文化」や「ルールの運用」などの違いが原因になっているようです
メジャーリーグ(MLB)では「球威」が最優先
MLBのスカウティングや指導で、最も重視されるのは「打者を圧倒する強力なボールを投げること」です。
足をしっかり上げて自分の100%のパワーで投げるフォームが基本。
フォームを小さくして(球速や変化球のキレを犠牲にして)まで走者を抑えるという発想があまりないようです。
盗塁は捕手が刺すものという文化
アメリカでは、盗塁を阻止するのは「捕手の強肩」や「投手の牽制球・マウンドでの間(ま)の取り方」がメインだと考えられているようです。
そのため、投手がクイックモーションの練習に時間を割くことが日本に比べて圧倒的に少ないようです。
日本の野球(スモールベースボール)の洗礼
NPBの球団は、新外国人投手のクイックが遅い(目安とされる1.2秒台)と分かると、容赦なく足を使ってきます。
例えば・・・、
次の塁へどんどんスタートを切る。
バントやエンドランを絡めるなどです。
ピッチングリズムを崩して、自滅に追い込みます。
ボークの判定基準の違い
MLBではセットポジションで完全に静止(ストップ)しなくても、ある程度緩やかに動いていればボークを取られないことがあります。
しかし、日本は静止に対して非常に厳格です。
日本に来た外国人投手がクイックを意識するあまり、完全に止まることができずにボークになることもあるようです。
近年はMLBでも変化が?
最近のMLBではピッチクロック(投球時間制限)の導入やベースの大型化、けん制の制限により、アメリカでも盗塁数が増えています。
そのため、アメリカの投手たちの間でもクイックモーションや走者警戒の重要性が徐々に見直されているようです。
ピッチャーが荒れ球の時の盗塁の是非
基本的に無理して盗塁をしない方が無難です。
一見、荒れ球だと盗塁のチャンスに見えますが、実はランナーにとってリスクが高い状況と言えます。
その理由は以下の3つです。
荒れ球の時に盗塁を避けるべき3つの理由
- バッターにすっぽ抜けた危険なボールが当たりそうになる(危険性が高い)
- 「ワンバウンド」でスタートが遅れる・戻れなくなる
- 一番大きな理由、走らなくてもフォアボールで進塁できる。
盗塁してもいい例外的なケース
- キャッチャーの肩が弱い、または捕球が苦手なタイプ
- カウントが3ボールになり、ピッチャーはストライクを入れに来るため、甘いコースに緩い球が来る可能性が高く、スタートが切りやすい。
- ランナーが圧倒的な俊足で、投手のモーションを完全に盗めている。
外国人投手になぜ荒れ球が多い?
なぜ外国人投手になぜ荒れ球が多いと言われるのでしょうか?
動く魔球(ムービングファスト)
それはを自然に投げていると言われています。
メジャーリーグでは、と言われるフォーシームストレートよりも、打者の手前で小さく変化するツーシームやカットボール、シンカーが主流です。
コントロールより、”真ん中付近に強い球を投げ、手元で動かして芯を外す”のが主流のようです。そのため、荒れ球のように見えるというわけです。
コントロールよりも球速
アメリカでは、球速(ベロシティ)と球威・回転数(スピンレート)が圧倒的に重視されています。
「コースを狙って球威が落ちるくらいなら、ど真ん中に160km/hの動く球を投げ込んだ方が打ち取れる」という考え方があるため、日本のアウトロー(外角低め)にきっちり出し入れするような精密なコントロールを身につけていない投手が大半だそうです。
また、日本のストライクゾーン(特に高低や外角の基準)は、MLBの基準や、彼らがアメリカで使っていたトラッキングシステム(自動球審など)のゾーンとの違いによって、自分の得意なコースが「ボール」と判定されることでイライラし、そこから急にコントロールを乱して自滅していくパターンは“外国人投手あるある”と言えますね。
まとめ
日本のバッターは綺麗なストレートに対してきっちり合わせてきますが、外国人投手のどこに来るか分からない155km/hの荒れ球は、的が絞れず非常に打ちづらいでしょうね。
そのため、あえて細かくコントロールせず、荒れ球のまま勢いで押させた方が活躍できるケースもあるようです。
ですから、荒れ球が多い投手特に外国人投手の場合、むやみに盗塁はしないほうが無難なんですね。
高寺選手、レギュラーを狙うなら濱中さんがおっしゃっていたように、小さのことももっと勉強しましょうね。



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