2026年5月6日(水)VS中日。
GW9連戦中日に2連敗後の最後の試合です。
今回は、試合を決めた高寺望夢選手の”一発”の前の初球の噺です。
毎日放送は矢野燿大さんの解説。
Jsports2は英智さんの解説でした。
息詰まる投手戦
この試合は、阪神は高橋遥人投手、中日は高橋宏斗投手というW高橋投手の投げ合いでした。
阪神は高橋宏斗投手からヒットは出打つのですが、なかなか繋がりません。
中日は高橋遥人投手に完全に抑えられていました。
このような試合の時は、連打での得点は難しく、ホームランという”一発”で決まることが多いようです。
まさしく、この試合もそんな試合でした。
この試合で高橋遥人投手は今季5登板4完封。
さらに、球団60年ぶり3連続完封勝利となりました。
なお、名字だとややこしいので両投手を遥人投手、宏斗投手とさせていただきます。
魔の6回
6回表はしばしば”魔の6回”と言われることがあります。
先発投手は6回に入ると、球数が90球前後になることが多く、疲労が出やすいです。
ボールが高めに浮いたり、球威が落ちて長打を打たれやすくなります。
また、打者とは2~3打席目になりますよね。
打者が球筋や配球パターンに慣れてきて、読まれるケースが多くなります。
その為、バッテリーは投球パターンを変えざるをえなくなります。
このようなケースが多くなのも6回ぐらいですね。
また、5回終了後グランド整備が行われ、ピッチャーにとって少し間が空きます。
そのため、リズムが狂う時があるのです。
この日、試合が動いたのはまさしくその”魔の6回”表でした。

高寺望夢選手への初球
この回、先頭打者は遥人投手。
1-1からの3球目でした。
見事、ストレートをレフト前のヒット。
ヒーローインタビューでも打った感想を「メチャメチャ気持ちよかった」と言っていましたね。
矢野燿大さんの解説
そして、1番に戻り、高寺選手です。
初球をバントの構えから、バットを引いて1ボールでした。
矢野:今の構え見たら、ストライクならやってそうな。
ただ、ランナーがピッチャーなんで、僕は打たすかなぁと思ったんですけど。
アナ:(打たせて)ランナー(遥人投手と高寺選手)が入れ替わってもOKですよね。
矢野:(高寺選手が)2打席凡退してるけど、悪いバッティングじゃないんですよね。
内容はいいバッティングをしている。
結果よりも内容を考えるとヒッティングするのが普通のようです。
しかし、バントの構え。
そして2球目でした。
高寺選手の一振り。
ストレートを2ランホームランでした。
矢野:一発で仕留める素晴らしいバッティングでした。
初球、バントの構えをしたので、相手バッテリーからしたら「バントかなぁ?」というところで1ボールになってしまった。
あまり強いボールでは行きにくかった。
アナ:様子を探りながらの投球だった。
矢野:そうそう。
バントの構えが中日バッテリーの思考を狂わせたようです。
こういうことがあるんですね。
サインであっても、ちょっとのことが1球を狂わせるんですね。
バントの構えがもたらす効果
バントの構えをしただけで一体どんな効果があるのでしょうか?
1.相手投手にプレッシャーをかける
バントの構えをされると、投手は「絶対に前に転がされたくない」「ウエスト(ボール球に)したい」という心理が働きやすくなります。
投手の投球フォームのテンポが狂ったり、無理にストライクを取りにいって甘い球になったり、ボール球が増えてフォアボールを出しやすくなります。
2.捕手や投手の警戒(配球)を制限する
(ランナーがいる場面で)バントの構えをすると、守備側は「送りバント」だけでなく「セーフティバント」や「バスター」「エンドラン」なども警戒しなければならなくなります。
捕手は投手にフォークなどの縦に落ちる変化球(ワンバウンドして前に弾くリスクがある球)を要求しづらくなり、ストレートの割合が増えるようになります。
3.バスター=強打への切り替え
守備陣が前進して守備範囲が狭くなっているところへ強い打球を打ち込むことで、野手の間を抜くヒットや長打になりやすくなります。
4.守備位置を崩す
打者がバントの構えを見せると、内野手(特にサードとファースト)は打球を早く処理してランナーを刺すために前進守備(バントシフト)をとらざるを得なくなります。
内野手が前に詰めることで、三遊間や一二塁間のヒットゾーンが広がります。
5.打者自身の目線が固定される
バントの構えをとることで目線(頭の位置)が低くなり、投手のリリースポイントやボールの高低が見極めやすくなります。
ボール球をしっかり見送ることができ、確実にストライク球だけを打ちに行けます。
ピッチャーがランナーの時
ピッチャーがランナーの時は、走塁は平均レベルだと考えます。
なので、無理なギャンブルより「アウトにならずに一つ先の塁へ進むこと」を最優先に考えます。
ピッチャーランナーが一塁時の作戦
ピッチャーが走者の場合は、いきなり盗塁で勝負するよりも、投球と同時にスタートしてヒットで一気に三塁を狙うなど、打者との連携作戦が中心になることが多いです。
カウント別の考え方
ピッチャーは配球の意図も分かるので、ボール球が増えそうな場面は大きなリードより「帰塁優先」で、勝負球になりそうな球でスタートを意識する、といったカウントごとのメリハリが大事です
リードと第2リード
- 一次リードは安全に帰れる範囲でリードを取りましょう。
- ピッチャーが投球動作に入ったら二次リードとしてさらに2、3歩前に出ましょう。
- 暴投やパスボールが出たらすぐに次の塁に進みましょう。
- 第一歩の反応が良ければ、足が速くなくても「進塁のうまいランナー」になれます。
サインプレーと注意点
- ベンチやコーチャーと「盗塁」「スタートのみ」「ヒットエンドラン」「スクイズ」などを明確に共有
- けん制を多くされている時は、無理にリードを大きくせずテンポを崩す役割に回る
- ピッチャーが走者でアウトになると、その後の守備に影響が出るので、際どい場面は無理をしない
- ピッチャーが走者の時、スクイズやギャンブルスタートなど、失敗のリスクが大きくなります。チームの方針に従う形が安全です。
なお、セ・リーグでは来季からDH制になります。
このようなプレイを見られるのも今年限りです。
なので、ピッチャーの打席を大いに楽しみたいですね。
試合後の解説
アナ:高寺がバッターボックスに向かいますが、注目は初球の動きですね?
矢野:ここは、相手(バッテリー)がエアーポケットに入るような初球のバントの構え。
サインが出ていたのかな?と僕は見えました。
セイフティー気味ならもっと早くぱっと構えて、1塁に動く動作が出るんですけど、しっかり足が止まってなんでバントのサインが出てて打てのサインに変わった。
アナ:ドラゴンズバッテリーはどうなのかな?という・・・。
矢野:バントかもしれない。
キャッチャーの甘めに(ストライクでいいよ)構えている。
矢野さんは元キャッチャーで元監督。
その目線で見ているからこその解説でした。
まとめ
まさしく、息詰まる投手戦での”魔の6回”でした。
宏斗投手はショックだったと思います。
たった1球の失投でした。
あの初球のバントの構えはサインだったのか。
もしかしたら、構えだけのサインだったかもしれない。
しかし、そんなサインがあるのか?
それとも、高寺選手のお芝居だったのか。
真相やいかに。
先発投手の皆さん、”魔の6回”には気を付けてください!


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